湯平温泉
山頭火は昭和5年11月10日・11日の二泊、大分屋に宿泊しています。

「ここ湯平というところは気に入った。いかにも山の湯の町らしい石だたみ、宿屋、万屋、湯坪、料理屋等々々、おもしろいね。(中略)此の温泉はほんとうに気に入った。山もよく水もよい、湯は勿論よい、宿もよい、といふ訳で、よく飲んでよく食べて、よく寝た。ほんとうによい一夜だった。」(『行乞記』)
「しぐるゝや 人の情けに涙ぐむ」(湯平駅)
「うしろ姿のしぐれてゆくか」(菊畑公園)
山頭火ミュージアム「時雨館」に昭和5年山頭火が宿泊した「大分屋」の写真が展示されてました。昭和40年代に撮影されたもので、廃屋寸前のかなりぼろい木造の建物のようですが、これを見て、あぁ~山頭火はこんなとこに泊まったのかと妙に感動しました。
湯平温泉は、鎌倉時代に始まるとされる古い温泉で、かつては今人気の由布院温泉、黒川温泉より湯平温泉の方が栄えていたと聞きました。鄙びた湯冶風の旅館が50件以上並んでいた時期もあったとか。今はちょっと寂れている感じです。年々旅館の数も減ってきているそうで、旅館・ホテルの数では由布院温泉、黒川温泉にいつしか逆転されてしまったようです。昔は、芸妓さんもいたような雰囲気は残っています。残念ながら今は、歓楽色なしです。
今も石畳の坂道を挟んで、旅館やお店が並び、温泉街らしい情緒があり、何よりも静かで私は好きです。宿泊した「旅館 志美津」はリピータの方が多い、素晴らしい旅館でした。知っている人は由布院温泉には行かずこちらに来るんでしょうね。


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